独立成分分析 JADE

独立成分分析(Independent Component Analysis :ICA)が流行っています（2005年）。 MATLABではfreeの独立成分分析ツールが出回っています。 これらツールの試用例は、 独立成分分析のホームページを参照してください。
とりあえず、JF Cardoso & A Souloumiac氏らのMATLAB用独立成分分析ツール JADEの jadeR.mをSCILAB用に書き換え、 jadeR.sceを作成しました。

MATLABとSCILABでは同じ関数名で微妙に機能が異なるものがあります。


関数	MATLAB	SCILAB	変更
A=[2;4];1./A	0.5000 0.2500	0 0.25	SCILABのbug? ones(A)./A
A=[1,3,4,2]; [a,b]=sort(A)	a=[1,2,3,4] b=[1,4,2,3]	a=[4,3,2,1] b=[3,2,4,1]	[a,b]=sort(A); a=a($:-1,1);b=b($:-1,1);
A=[1,2;3,4]; sum(A)	[4,6]	10	sum(A,1) MATLABもsum(A,1)でOK
４象限逆正接	p=atan2(Y,X);	p=atan(Y,X);
固有値分解	[V,D]=eig(X);	[V,D]=spec(X);

jadeR.sceでは上記の他、 コメント文の削除、verbose機能を削除しています。

聴覚誘発磁界のデータにJADEを適応してみます。
Xを204x1324の脳磁図データ、timeを1x1324の時間データとします。
scf();plot2d(time',X');xset('use color',0);

getf('.../jadeR.sce');
tic;B=jadeR(X,8);toc
0.547
B(1:7,1:7)*1000

因みにMATLABでは
tic;B=jadeR(X,8);toc
0.3130
B(1:7,1:7)*1000

まるめの問題か、微妙に誤差があります。
SCIlABではdelaunayの三角分割がなさそうなので、 トポグラフィーなしで波形のみを表示させることにします。
IC=B*X;
AA=pinv(B);
A=sum(AA.^2,1);
P=diag(A)*IC;
scf();for x=1:8;subplot(8,1,x);plot2d(time,P(x,:));end;

上から順に第１独立成分、第２独立成分、・・・となっています。
第３・４独立成分を雑音として除去します。
k=1:8;k([3,4])=[];
MEG=AA(:,k)*IC(k,:);
scf();plot2d(time',MEG');xset('use color',0);