Scilab

 ScilabはフランスのINRIAとENPCで作成されたMATLABに似た数値計算ソフトです。無料配布されており、脳磁図のデータ解析用に役立つだろうと思い、ホームページ上で公開したのですが、脳磁図関係者の反応は今ひとつでした。
 ホームページで使用したScilabのversionは3.0で、Windows 32bit環境では1配列のメモリ制限が厳しく、作図機能にもbugがたくさん有り、決して使い勝手のよいものではありませんでした。
 2010.9の時点ではWindows 64bit用のものも用意され、かなり使い勝手はよくなっているようです。


 64bit版のscilab-5.2.2_x64.exe をinstallしてみてstacksizeが増えたかどうか調べてみました。


 初期状態では5,000,000、最大では約268,000,000くらいです。使ったPCはWindows 7でCPUはIntel Celeron SU2300 1.2GHz、RAMは4GBです。RAM12GB積んだ64bit PCでもmaxは同じでした。1stack=倍精度として約2GB位のデータなら扱えそうです。 

 以下の計算を行い、Scilab 5.2とMATLAB R2010aの演算速度を比較しました。
1) tic;for x=1:10;rand(1024,1024);end;toc
2) tic;for x=1:10;rand(1024,1024)*rand(1024,1024);end;toc
3) tic;for x=1:10;inv(rand(1024,1024));end;toc
4) tic;for x=1:10;svd(rand(1024,1024));end;toc
5) tic;for x=1:10;fft2(rand(1024,1024));end;toc % for Matlab
5) tic;for x=1:10;fft(rand(1024,1024),-1);end;toc //for Scilab

MATLABのFFTの処理が速い以外は特に差はありませんでした。

  1)乱数   2)掛け算 3)逆行列 4)特異値分解  5)FFT 
 scilab 5.2  0.339  5.816 6.990 23.363 6.381 
 MATLAB R2010a  0.415  5.433 7.786  24.661 2.095