はじめに
私の拙い理解では、
あるデータの配列を
主成分分析では分散を用いた直交座標系に、
独立成分分析ではツールごと固有の定義に基づいた斜交座標系に
変換します。イメージ的に
主成分分析(Principal Component Analysis :PCA)は左図、
独立成分分析(Independent Component Analysis :ICA)は右図のようなものだと思っています。
因みにPCAやICAと聞くと脳外科医の99%くらいは
後大脳動脈(Posterior Cerebral Artery)や内頸動脈(Internal Carotid Artery)の略だと思うはずです。
紛らわしいと思う人はいないと思いますが・・・。
脳磁図の学会発表でも独立成分分析を用いた研究を耳にすることが多くなりました。
勉強しようと思って
独立成分分析 甘利俊一・村田昇共著 サイエンス社
を買ったのですが、先生・一夫・次郎・花子さんの会話は難しすぎて、理解不能でした。
幸い行列演算ソフトMATLABを用いた、フリーの独立成分分析用のツールもいくつか出回っています。
- FastICA
・・・ヘルシンキ工科大学 A. Hyvarinen氏のMatlab用toolbox
- JADE
・・・JF Cardoso & A Souloumiac氏らのMATLAB用ツール
- InfoMAX
・・・AT Bell, TJ Sejnowski, S Makeig氏らのMATLAB用ツール
- ICALAB
・・・理化学研究所 A. Cichocki, 甘利俊一氏らのMATLAB用toolbox
これらの神々の人類に与えたもうたる貴重なツールと
Fiff2MatFileを組み合わせて、
NeuromagのデータをMATLAB上に展開できれば、簡単に独立成分分析ができるかもしれません。
「習うより慣れろ」と思い、
上記のツールを用いて独立成分分析を試してみることにしました。
ところどころに勘違いや計算間違いがあると思います。
ホームページの内容は参考程度にとどめてください。
一応数式を挙げておきます。
x = As
で
x が計測されたnチャンネル(行)×mサンプル(列)からなる行列(既知)、
A が混合行列(未知)、
s が真のn個(行)×mサンプル(列)からなる行列(未知)、
としたとき、この未知の
A-1(=W ), s を求めることだそうです。